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新聞記事「無縁遺骨 あふれる納骨堂」

 本日の朝日新聞に興味深い記事が掲載されていたので紹介します。記事の見出しに「無縁遺骨 あふれる納骨堂」とあり、「保管見直す自治体、やむなく合葬も」と小見出しが付けられています。記事を要約すれば、次のように述べられています。
 記事は、今、全国各地で引き取り手のない遺骨が増え、その対応に各自治体が苦慮している、と述べ、続いて川崎市と神戸市での事例が紹介されています。
 まず、川崎市の事例では、市営霊園にある納骨堂に身寄りがなかったり、遺族に引き取りを拒否されたりした遺骨が無期限で保管されていたが、2000年代に入るとそうした遺骨が急増し、保管しきれなくなったそうです。そこで市は保管期間を30年とし、火葬から5年たった遺骨は分骨するなどの方法と近年は残骨をパウダー状に粉骨して保管スペースを確保しているということです。次に、神戸市の場合は、遺骨を5年間保管したあとは他人の骨と一緒にする合葬(がっそう)が年一回、行なわれているそうです。合葬すれば、二度と引き取ることは不可能になります。
 こうした事例は今や全国の自治体に共通する問題として、それぞれに対応策を講じる必要に迫られているようです。これまでは身内の弔いは家族の義務と考えられてきたが、家族間の関係が希薄になったり、家族や親族との関係を絶って孤立した人が増えた結果、引き取り手のない遺骨が急増したのであろうと指摘されています。
 東京都足立区では、『老い支度読本』という冊子を発行し、墓の有無や場所、弔いの方法の希望を書く欄を設けて、本人の意向が分かるようにしているそうです。誰にも必ずやって来る死後に備えて、その準備を「早めに」と勧めていますが、「死」というものを、「我や先、人や先」(蓮如上人『白骨のご文章』)ではなく、「人や先、人や先」と、他人事のように思って、自分の死を忘れている、あるいは見つめようとしないで日々を送っているのが、私たち現代人の生き様ではないでしょうか。

『朝日新聞』 平成28年12月31日付け
朝日(H28 12 31)

(以下に上掲記事の本文を転載します)
 
 人が亡くなると、誰かが引き取り、弔うと考えられてきた。ところがいま、各地で「引き取り手のない遺骨」が増えている。自治体が対応に苦慮する中、生前のうちに「死後の備え」と向き合う動きも出ている。

 〈分骨・粉骨でスペース捻出 川崎〉
 多摩川の南側に広がる住宅街から数分歩くと、木々に囲まれた川崎市営霊ログイン前の続き園がある。墓が並ぶ一角から少し離れたところに、高さ4メートルほどの六角形の納骨堂が立っていた。
 11月中旬のある朝。納骨堂から運び出された骨つぼが並べられた。300柱以上で、多くは男性のもの。「家族とつながりがなくなったから、ここにいるのでしょうか」。市生活保護・自立支援室の礒田誠さん(41)が語った。10月には60代の男性がアパートで孤独死。長男は「長く音信不通だった」と言い、遺骨の引き取りを拒んだという。
 骨つぼには、身寄りがなかったり、遺族に引き取りを拒否されたりした人の遺骨が納められている。川崎市はかつては無期限で保管していた。
 ところが、1990年代まで年間50柱前後で推移していた引き取り手のない遺骨の数が2000年代に急増。02年度から、(1)保管期間を30年とする(2)火葬から5年たった遺骨は骨つぼから取り出し、2、3片を小さなポリ袋に入れる(分骨)(3)分骨で生じた残骨はまとめ、納骨堂の地下室で「合葬」する――とした。礒田さんたちが取り組んでいたのは、分骨の作業だった。
 その後も遺骨は増え、08年度には200柱以上に。納骨堂に空きが出るまで、全区役所で骨つぼを「仮置き」している。市は保管を民間委託することも検討したが、職員から「企業が廃業・倒産したらどうなるのか」という懸念が出た。そこで市は12年度以降、地下室のスペースを捻出するため、残骨を石材業者に依頼してパウダー状にする「粉骨」に取り組んでいる。
 「あら、あの人だわ」。礒田さんらと作業をしていた支援室の担当課長・岡本みゆきさん(56)が骨つぼに記された名前を見て声を上げた。ケースワーカーをしていた時に知り合った男性という。「生活保護を受給し、身寄りのない人でした」
 
〈神戸〉
 神戸市北区の鵯越(ひよどりごえ)墓園では11月上旬、年1回の合葬があった。市幹部が市職員ら約40人の前で「家族に見守られずに亡くなった方々であり、その深い悲しみの前には慰めの言葉もありません」と式辞を述べた。
 神戸市では5年の保管期間を経て遺骨を合葬している。この日の対象は286柱。身寄りがない人、引き取りを拒まれた人……。市保護課長の八乙女悦範(やおとめよしのり)さん(49)は「遺骨に対する考え方や家族のかたちが変わってきたと感じます」と話す。
 骨つぼには親族が引き取りに来た際に引き渡せるよう管理番号が記されているが、中には「氏名不詳」と書かれた紙が貼られたものも。合葬されると、誰の骨かは分からなくなる。
 20政令指定市で、引き取り手のない遺骨を最も多く扱う大阪市の保管期間は最短の1年。その後、合葬する。熊本市は熊本地震による予算見直しで合葬スペースの確保を見送ったが「検討は続ける」としている。

 〈死後の備え「早めに」〉
 東京・足立区は「老い支度読本」(A4判・96ページ)を作っている。表紙には「50代はまだ早い? いえいえ、そろそろ考え始めるタイミングです」。最終章に墓の有無や場所、弔いの方法の希望を書く欄がある。孤独死しても、その欄を見れば本人の意向が分かるという考えからだ。
 これまで4万部を発行。最終章だけを求める住民もおり、増刷予定という。高齢福祉課長の伊東貴志さん(40)は超高齢化の先にある「多死社会」を視野に入れ、「従来通りの行政サービスを続けていたら自治体はパンクします。早いうちに死後に備えて」と求める。
 台東区を拠点に元日雇い労働者らを支援するNPO「山友会」は昨年、区内の寺院に合葬墓をつくった。インターネット上で資金を募る「クラウドファンディング」で約250万円を集めた。理事の油井和徳さん(32)は「死後のことが不安な人たちに『死んでもつながりは続く』と思ってほしい」と話す。(室矢英樹)
 
 〈引き取り手なし、倍増、10年前比。親族拒否や貧困も背景 20指定市で7360柱〉
 朝日新聞が全国の20政令指定市を調べたところ、2015年度は10年前の2倍に迫る計7360柱を自治体が引き受けていた。
 各市に対し、06~15年度の10年分について質問。記者が補足取材した。その結果、20市はこの10年間で計5万7226柱を引き受けていた。このうち15年度は計7360柱で、4027柱だった06年度の1.8倍だった。
 日本では死者の火葬を担う人がいなかったり分からなかったりした場合、墓地埋葬法などで「死亡した場所の市区町村長が火葬する」と定め、遺骨も自治体が引き受ける。
 引き取り手のない遺骨が増える背景について、相模原市は「親族がいても引き取りを拒むケースが多くなっている」と回答。北九州市は「高齢の単身者が増えている」とし、堺市は「火葬の費用を出せない親族もいる」とした。
 20市は保管期間を1年~無期限に設定。だが、さいたま市は納骨堂が満杯に。無期限だった保管期間を改め、今月から合葬を始めた。大阪市は15年度に約1500万円をかけ合葬墓を4倍に拡張。静岡市も「拡張を検討中」と答えた。
 あわせて東京23区も調べたところ、各区の記録が全て残る09年度の計722柱から、15年度は1・2倍の計899柱に増えていた。

 〈社会で考える時〉
 白波瀬達也・関西学院大社会学部准教授(福祉社会学)の話 
身内の弔いは家族の務めと考えられてきたが、関係が希薄な家族や家族を持たない人も多くなった。その結果が「引き取り手のない遺骨」の急増だろう。「家族の復権」を唱えるだけでは解決できない。葬儀や遺骨の取り扱いを社会全体で考える時期にきている。
2016-12-31 : 新聞・書籍・TV :
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